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数学を愛する会の「テトリス問題」を解こう

 これを解こう。

 24マスの盤面を互いに異なるテトロミノで埋める組み合わせが存在するならば、6種類のテトロミノが使われることになる(6種類×4マス=24マス)。したがって、7種類の内1つは使われないテトロミノがある。

実は、テトロミノTは必ず使われないことがすぐに示せる。盤面の各マスを白と黒でチェス盤のように塗りつぶすと、白のマスと黒のマスは共に12マスある。

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 基本的に1つのテトロミノが盤面に配置されると、白マスと黒マスは2つずつ埋められていくが、Tに限り白3マスと黒1マス、または黒3マスと白1マスが埋められてしまう。

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残りの盤面の白のマスと黒のマスの数が同一でなくなると、他のテトロミノで盤面を埋めていったとしてもその差を維持しつづけるので、最後に黒3マスと白1マスか、白3マスと黒1マスが残った状態になる。それらを埋められるのはテトロミノTだけだが、つまりそれはTを2回以上用いることに他ならない。

したがって、必然的に残りの6種類で盤面を埋めることになるので、T以外のテトロミノは必ず使われることが分かる。

次に、テトロミノSの配置方法について考える。そのためには次の4つのケースを考えればよい(どのように配置しても、盤面を回転させることでいずれかのケースと一致する)。

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 これらを左から順にケースA、ケースB、ケースC、ケースDと名付け、それぞれについて考えることにする。が、ケースDは明らかに盤面を埋められる配置ではないので、この時点で除外する。

ケースAとケースBにおいてテトロミノOを配置することを考えると、2つのテトロミノによって盤面は2つに分割される。このとき、どのようにOを配置しても残りの盤面は奇数マスと奇数マスに分けられてしまうことが言える。

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(4の倍数)マスの領域でないとテトロミノで埋めることはできないので、ケースAとケースBにおいてはOは配置できないことが分かった。しかしこれは「T以外の6種類すべてを使う」という条件に反する。したがって、ケースAとケースBはあり得ないということが言える。

最後に、ケースCについて考える。Sの下の領域は明らかにテトロミノLしか入らないのであらかじめ埋めておく。

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ここでテトロミノZを配置することを考える。様々な配置を仕方があるが、残りの領域を(4の倍数)マスずつに分割する配置の仕方は次のものしかない(残りの配置は、奇数マスの領域を発生させてしまう。確認してみよ)。

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この調子で空いているマスに入れられるテトロミノを配置していくと、ケースCにおいては次の配置しか許されないことになる。

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無論、この配置はテトロミノOを2つ用いているため条件に反する。

以上より、テトロミノSはどのように配置しても「互いに異なるテトロミノで盤面を埋める」という条件を満たせないことが分かった。したがって、TSを除いた5種類で盤面を埋めるしかないが、鳩ノ巣原理により5種類の内必ず2つ使われるテトロミノが存在することが言える。

よって、「24マスの盤面を埋めるのに必ず同じ種類のテトロミノが2回以上使われる」は真である。

 

【余談】

テトミノテトリスにおけるテトミノの別称である。なので、「4つの正方形を繋げた形」の一般的な名称はテトロミノである(Wikipedia参照)。

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